嫁入り前夜、カタブツ御曹司は溺甘に豹変する
「今朝作ったのか?」
おじいさまの問いかけに仁くんが「ああ」と呟くと、杏ちゃんが素っ頓狂な声を上げた。
「今朝って、何時に起きたんだよ」
仁くんは答えない。
早起きをして手間をかけたことを、沙倉さんが気を揉まないようにしたのかもしれない。
無言のまま手のひらサイズの化粧箱を沙倉さんの目の前に置いた。沙倉さんは息を呑む。
「もう過ぎちゃったけど、母の日のプレゼント」
両手を口元にやって言葉をなくしている。すぐに瞳の表面に涙の膜が張ったのが、隣で見ていて分かった。
動かない沙倉さんの代わりに仁くんが箱を丁寧な手つきで開ける。
「練り切りのカーネーションと、錦玉羹」
錦玉羹をどのようにアレンジしたのか私も今日まで知らずにいる。
おじいさまの問いかけに仁くんが「ああ」と呟くと、杏ちゃんが素っ頓狂な声を上げた。
「今朝って、何時に起きたんだよ」
仁くんは答えない。
早起きをして手間をかけたことを、沙倉さんが気を揉まないようにしたのかもしれない。
無言のまま手のひらサイズの化粧箱を沙倉さんの目の前に置いた。沙倉さんは息を呑む。
「もう過ぎちゃったけど、母の日のプレゼント」
両手を口元にやって言葉をなくしている。すぐに瞳の表面に涙の膜が張ったのが、隣で見ていて分かった。
動かない沙倉さんの代わりに仁くんが箱を丁寧な手つきで開ける。
「練り切りのカーネーションと、錦玉羹」
錦玉羹をどのようにアレンジしたのか私も今日まで知らずにいる。