【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「大地みたいに何回も言わねぇよ……」
はぁっと深い溜め息を零す虹くんは、私の方へと顔を向けた。
暗闇の中で、視線を落とされた気がして、私は目だけをそっと虹くんへと上げる。
目と目が合ってる……気がした瞬間、
「好きだよ」
「っ、」
鼓膜をくすぐる虹くんの囁き声に、頬がじわりと熱くなった。
「……もういいだろ。満足した?」
「したした。虹が俺のことを好きだって再確認したからもう気が済んだわ」
……私ってばバカだ。
自分に言われたわけでもないのに、虹くんの声が頭の中をぐるぐると巡っている。
「さっきは虹を発見したからここに来たけど、本当はあっちの階段の方が自販機近いんだよねー」
深恵くんが階段を登っていく足音がする。
「でも、俺はそいつが誰なのか見つけるまで諦めないから」
何か言い残していった気がするけど、虹くんのシャンプーの香りにドキドキして、くらくらしていた。