【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
しばし沈黙が流れた。
深恵くんの視線が突き刺さってる気がして、バクバクと上下する鼓動……。
私からもお願いしますよ!と心の中で土下座する勢いで頼み込んだ。
「虹がそこまで言うなんて珍しいんじゃない? 要は、特別な奴ってこと?」
「そうだよ」
虹くんは動じることなくすんなりと答えてみせる。
だからか、胸がきゅうっと音をたてた。
「ふぅん。今度ちゃんと教えてもらうからよしとするか。今日のところは、あれ言ってくれたら見逃してもいーよ?」
「……は?」
条件を突きつける深恵くんはドヤ顔をしてるに違いない……。
「もちろん10回ね?」
うわ……。
それはもしや、「好きって10回言って」って、小学生みたいなことを休み時間に虹くんに言ってたあれだよね?
もう強要罪で起訴してもいい案件だよ、虹くん……。