【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「………虹くん」
「あ。悪い。こうするしか守りきれそうもなかったから」
危機が去ったあと、私はようやく声を出した。
すると、私からパッと離れた虹くん。
「ううん……っ、ありがとう。かばってくれて……」
スマホのライトを再びつけると、虹くんの顔がやっと見えた。
「……別に。ただ、お前は人生リセットする勢いでここに来たんでしょ」
「そうなんだけど……足でまといになってる気がして……」
「だったらなおさらバレるわけにはいかないだろ」
この前は、連帯責任が嫌なだけって言っていた。
それなのに今、こうして私が言ったことを覚えててくれて、助けてくれた。
自分のことでもないのに……。
それがたまらなく嬉しかった。
そう言ったら、虹くんはやっぱり呆れるのかな……。
「なに突っ立ってんの? 見つかる前に早く行くぞ」
「うん……!」
虹くんはやっぱり、時々……優しい。