【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
* * *
ようやく本来の目的である『王様の棟』まで降り立った。
「……ここだよね? 指定された場所って」
シーンと不気味なほどに静寂に包まれるこの二階のフロア。
ヒソヒソ声ですら、命取りになるかもしれない……。
「この階のどこかに鍵があるってことだろ」
って虹くんは言うけど……。
「広すぎだよ。どこにあるか検討もつかないよ……」
この階にはまず寮生の部屋の他にミーティングルームがある。
他にも寮生が使用出来る部屋はあるみたいだけど、探索などする余裕もなかったから、不明のままだ。
そして、足音をたてないように意識を集中させながら足を進めると……
「虹くん虹くん……っ、見てこれ」
『王様の棟』と書かれた通路が見えてきた。