【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
不敵に笑ったような虹くんの口元。
トラップってことは……と考えて、嫌な予感がした。
けど、それと同時、虹くんがその鍵を引っ張った。
身構えていたものの、何も起きない。
な、なーんだ……。
「走って、黒田」
へっ!?
その声とほぼ同じタイミングだった。
パッ!と廊下の電気が端から順に点灯し始めたのだ。
「……ヒェッ!!」
私達を追いかけるみたいにして、電気がついていく。
なにこれ!!
無我夢中で足を動かして、『王様の棟』の廊下を駆け出した。
トラップなんて、卑怯にもほどがあるってばぁ!!
そして、角を曲がったその時だった。
「──誰だ? こんな時間に何をしてる?」
勢いよく扉が開く音と同時、鋭く尖った声が背中に飛んできた。
あの部屋の主は寮長さんだ。
やばい……見つかった……!?