【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
お兄ちゃんは私がイジメにあっていたことを知っていた。
ずっと。
──“恥ずかしい奴……”
お兄ちゃんの言葉がフラッシュバックする。
そんな私を疎ましく思っていたことを、私は知っている。
「それと、昨夜エスポワールで問題が起きた。ここに来たからには、お前も女子寮でそういう厄介な問題を起こすなよ」
「……わかった」
乾いた唇でようやく返事をする。
虹くんと同じ707号室だなんて知ったら、きっとお兄ちゃんは容赦なく私を追い出すように冷血寮長さんに抗議するだろうな……。
「わかったなら母さんにはメールくらい入れておけよな」
お兄ちゃんは念を押して寮の裏口から中へと入っていった。