【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
* * *
壁に貼り付いて念入りに辺りを見回してみる。
「虹くん虹くん!! 大丈夫! 誰もいないよ……!」
カモンカモン!と立ち尽くす虹くんに手招きして合図した。
「……なにそのジェスチャー。逆に怪しいだろ」
「そう……? 今度は軍事作戦の将軍になりきってみたんだけど……」
「あっそ……」
……はい、今日も塩対応ですね。
放課後、じっとりした蒸し暑い中、私達は誰もいないプールへと来ていた。
ミッションクリアのためなら、プールが嫌いだろうとなんだってやらなきゃ!
鼻をさす強い塩素の匂いがする。
本当は、この香りも苦手だ。
「……環境整備も終わってるみたいだね?」
裸足になって、重い足取りでプールサイドまで歩く。
……ああ、プールを見るだけでも憂鬱だ。
憎たらしいくらいキラキラ光る水面が眩しい。