【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「大丈夫かよ。ここ、怪我してんぞ」
男子は私の隣まで歩いてくると自分の肘を指さした。
「あ……っ、これは……」
体育の授業終わりに背後から突き飛ばされて出来たものだった。
保健室に行くことさえ諦めてここまで走ってきた。
そんなこと口に出来るわけない……。
「俺、ハンカチとか持ってねぇしな」
すとん、と隣に座った男子は、自分の服で私の肘についた血を拭った。
「……だ、ダメ……汚れちゃう……」
なんの躊躇いもなく接してくれる男子に、私は咄嗟に顔を上げた。
「……え?」
そして間近で視界に映した男子を見て、息をのんだ。
「……見んなよ、バカ」
だって、その男子の瞳が、あんまり綺麗だったから釘付けになったのだ。