【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
紫色に染まった空の下、人の気配がする度に木の影や寮の壁に身を隠した。
や、やっと着いた……。
何度見ても高いな、この『塔の上の部屋』は。
別名、旧魔女の部屋だけど……。
前回同様、入口の前に立ち、ダイヤルを合わせる。
707……。
カチッと音が鳴り、私は重い扉を開いた。
真っ暗な螺旋階段を、今まで虹くんがしてくれたようにスマホのライトで照らしながら登っていく。
もう、虹くんは着いてるのかな……。
鍵を握った手の中が汗ばんでくる。
扉の前に着いて汗を拭うと、深呼吸して中へと入った。
あれ……?
虹くんはまだ来ていないみたい。