【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
スマホのライトで部屋の中を照らす。
すると、木造の古いテーブルの上に、宝箱みたいな物が置かれていることに気づいた。
鍵をさす部分がある。
これがきっと、パンドラの箱だ……。
──ギィ
「わっ……!?」
背後で扉が開く音が鳴り、驚いた私は勢いよく振り返った。
「黒田の方が早かったな」
ぼんやりとシルエットが見えるだけで。
でも、声で虹くんだってわかった。
「うん……っ、さっき着いたとこなの」
中へと入ってきた虹くんは俯きがちで、どんな表情をしてるかわからない。
「……虹くん、寮長室にいたんだよね?」
「そう。指定されたのがそこだったから」
送り主の言う通り、虹くんは寮長室から来た。