【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


読み終えた時、堰を切ったように涙が溢れた。



「……っ、」



お母さんの優しい文字に、零れ落ちた涙がポツリと滲んだ。



「虹……くん。これ、本当にズルいよね……」



手紙には続きがあって、全てを知った私は声を出して泣いてしまいそうになった。


虹くんのお父さんとは、私がイジメられている時に再会したいうこと。


同じような傷を抱え塞ぎ込む私達に、母親として、父親として、自分達は何をしてやれるのか悩み、相談し合ってきたこと。


学校に行かず殻に閉じ込もり、引きこもり続ける私を心配して、エスポワールへの招待状を送ったことも……。



「あの招待状も、お母さんだったんだ……っ」



決めるのは、自分自身だと書かれていた。

最初は嘘くさいと思った招待状。

こんなもので何が変わるんだって思った。


それでも、ずっと自分を変えてみたいと思っていた。

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