【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


あの日、ドン底に突き落とされた私の世界は、今──



「だったら、ずっと見てきたからもう知ってるけど?」


「……うん。虹くんとは、ずっと同じ部屋で過ごしてきたもんね」


「そうじゃないよ、黒田」


「え……?」



ゆっくりと、虹くんがこちらへと足を進める。



「顔上げて?」



虹くんの手は、唖然とした私の頬にそっと触れて、優しく包み込んだ。



部屋を照らす月の光が、虹くんを鮮明に映した。

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