【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「……こんな時、なんて言えばいんだろうな? “久しぶり“とか?」



照れた様子で呟いた虹くんと目が合って、鼓動がドクンと揺れた。


そんな私に瞳を緩ませると、とても優しく微笑んでくれる。



「……虹……くん?」



ふたりで過ごす最後の夜だからって、神様は私に微笑んでくれたのかな。


私への、ご褒美かもしれない。



「ビックリさせた?」



だって、こんな奇跡が起きるなんて。

目の前には確かに虹くんがいる。

いつもの、私の知っている虹くんがいる。


だけど、初めて見た虹くんのその瞳。



「どうして……」



透き通るようなグリーンとブラウンの綺麗な瞳が、今、真っ直ぐに私を見つめている。



この部屋に入ってきた時から、虹くんはずっと俯きがちだった。


そして今、やっとこっちを見てくれたと思ったら、こんな夢みたいなことが起きている。

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