一匹狼くん、 拾いました。弐
夏休みが終わると、結賀と仁は怪我のことをきちんと、廉と伊織に明かした。
俺の親権の手続きも終わったので、俺の名前は矢野俊平になった。
高校を卒業するまでは、母さんが俺と一緒に暮らしてくれる話になった。父さんは海の家の経営をできる限り続けるらしい。ただ週末は絶対に会いにくると言ってくれた。卒業したら三人暮らしだ、環境が変わるのに少しずつ慣れるといいな。
「結賀大丈夫……じゃないか。気をつけろよ、本当に」
頬杖をついて、廉は眉を下げる。
「全くだ。親より自分を優先しろよ,次は」
カウンターテーブルを挟んで、俺の目の前にいる葵が笑う。
「うん、わかった」
「葵ありがと、開店前なのに」
頷きながら、そっと葵の手を触る。
「気にするな。俊の頼みならいつでも開ける」
「は? し、俊ってなんだよ」
俺の隣にいる仁が、目を見開いてしまう。しまった、言ってなかった。
「えっと、俊平はむりだけど、俊ならパニックならなくて、だから」
仁は顔をしかめる。
「何でこいつが先に呼んでんだよ、俊」
早速呼んでくる。
「義母さんに、葵の車で会いに行った時にわかって」
「あっそ。気に入らねぇ」
テーブルに置いていた鞄を肩にかけて、仁は俺の手を掴む。
「え、仁?」
「学校行くぞ、俊。遅刻する」
「まだ余裕あるけどな」
くすくす笑いながら、結賀は俺と仁の後を追って来る。伊織と廉も追ってくる。葵に手を振って、俺は店を出る。
「ミ……俊今日病院行くだろ、俺も行くから」
仁が、ミカって言いかける。
「あぁ、うん」
一週間ほど前から、俺は精神科に通院して、睡眠薬をもらうようになった。でも、使わなくても寝れることの方が多い。薬をもらうためではなくて、医者に話を聞いてもらうために通っている。
学校はどうだとか、過去がどうだったとか、とにかくいろんな話をするんだ。まだ母さんと話すのは慣れないから、大人と話す練習を医者でしている。
「間違えそうになるならミカでいいんじゃね? なぁ、俊?」
結賀は俺と仁の間に割って入る。
「え、う、うん。どっちでも」
「いや結賀も呼んでるし。俺はどうしようかなぁ」
廉にじっと見つめられる。なんだか恥ずかしくなって、俺は目を逸らす。
俺の親権の手続きも終わったので、俺の名前は矢野俊平になった。
高校を卒業するまでは、母さんが俺と一緒に暮らしてくれる話になった。父さんは海の家の経営をできる限り続けるらしい。ただ週末は絶対に会いにくると言ってくれた。卒業したら三人暮らしだ、環境が変わるのに少しずつ慣れるといいな。
「結賀大丈夫……じゃないか。気をつけろよ、本当に」
頬杖をついて、廉は眉を下げる。
「全くだ。親より自分を優先しろよ,次は」
カウンターテーブルを挟んで、俺の目の前にいる葵が笑う。
「うん、わかった」
「葵ありがと、開店前なのに」
頷きながら、そっと葵の手を触る。
「気にするな。俊の頼みならいつでも開ける」
「は? し、俊ってなんだよ」
俺の隣にいる仁が、目を見開いてしまう。しまった、言ってなかった。
「えっと、俊平はむりだけど、俊ならパニックならなくて、だから」
仁は顔をしかめる。
「何でこいつが先に呼んでんだよ、俊」
早速呼んでくる。
「義母さんに、葵の車で会いに行った時にわかって」
「あっそ。気に入らねぇ」
テーブルに置いていた鞄を肩にかけて、仁は俺の手を掴む。
「え、仁?」
「学校行くぞ、俊。遅刻する」
「まだ余裕あるけどな」
くすくす笑いながら、結賀は俺と仁の後を追って来る。伊織と廉も追ってくる。葵に手を振って、俺は店を出る。
「ミ……俊今日病院行くだろ、俺も行くから」
仁が、ミカって言いかける。
「あぁ、うん」
一週間ほど前から、俺は精神科に通院して、睡眠薬をもらうようになった。でも、使わなくても寝れることの方が多い。薬をもらうためではなくて、医者に話を聞いてもらうために通っている。
学校はどうだとか、過去がどうだったとか、とにかくいろんな話をするんだ。まだ母さんと話すのは慣れないから、大人と話す練習を医者でしている。
「間違えそうになるならミカでいいんじゃね? なぁ、俊?」
結賀は俺と仁の間に割って入る。
「え、う、うん。どっちでも」
「いや結賀も呼んでるし。俺はどうしようかなぁ」
廉にじっと見つめられる。なんだか恥ずかしくなって、俺は目を逸らす。