激甘御曹司に恋しちゃいました
あぁ。だから夫婦って……え!結婚!6月!?
その様子だと聞いてなかったみたいだねと真道副社長は笑っているが全くもって笑い事ではない。
「む、む、無理です!」
男性と手を繋いだことすらないのに結婚だなんてハードルが高すぎる。
「もう逃げられないよ。決まった事だから」
「あ、あの。このお話はうちが持ちかけたものですよね?…その、真道副社長からお断りしていただけないでしょうか」
うちから持ちかけた結婚話なら真道副社長にお断りしていただくだけで、この話はなかったことになる。そしたら私は結婚なんてしなくていいじゃいかと思ったが淡い期待は見事に裏切られた。
「この話は僕達が産まれる前から決まってた話だからね。僕達が結婚はしたくないって言っても無駄だよ。」
そうだった。確か私が産まれる前に仲の良い真道ホールディングスの両親とうちほ両親が決めた婚約だった。
しかも…と真道副社長が続けるので顔を上げると
「俺は乃々華の事離す気はさらさらないから」
お、俺!?乃々華!?
まさかの展開に置いてかれていると
「そろそろ戻ろう。あんまり長くいると色々言われそうだからね」
と言われて我に帰る。
私はとても言葉が発せられる状態ではなくて頷くことしかできなかった。