オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。
「カノジョにして」
「断る」

 だったら、受け取れない。
 欲しくてたまらないけど貰えない。

「ヘンピンする!」

 大地くん目掛けて投げたお土産がコースをそれて落下しかけるも、片手でキャッチされる。

「お前。コントロールわるすぎ」
「いらない!」
「受けとれっつってんだろ」

 キャッチボールのごとくお土産を投げ返される。
 なに。なんなの、これ。

「相手してやるよ」
「へ?」
「気が済むまで、とことんな」

 ほんとに?

「ただし。俺に必要以上に近づかないこと」

 ……ちかづかない?

「なにそのゴウモン」

 というか、必要以上って?
 なに基準?

「一生かけて俺を愛してくれるんだろ?」
「は」
「さっきのは嘘だったのか」
「う、ウソじゃ……ない」
「だったら。オトナになるまでなんて、ほんの僅かな期間くらいプラトニックな関係維持してみろや」

 ~~っ!

「キスもダメ?」
「しません」

 小学生カップルだってしてるよ。

「大地くんは、それでいいの?」

 少しもそんな気持ちにならないの?
 あたしに触れたくならないの?

「いいもなにも。そうせざるを得ない」
「じゃあ。欲情することはするんだ?」
「黙秘します」
「えーっ」

 さっきは手、繋いでくれたのに!
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