オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。
「できたよ~!」

 プリクラ初体験の大地くんに印刷されたプリを見せる。

「……コワ」
「なにが」
「いや。目が。俺こんな白くもねえし」
「かわいくなってるよね」

 大地くんの切れ長の奥二重が、パッチリおめめに。

「はい。あげる」

 プリを半分に分けて、大地くんに渡す。

「俺はいい」
「持っててよ」

 渋々受けとる大地くん。

「……『初デート』」

 ラクガキの文字を読み上げられる。

「間違ってないでしょ」
「んなこと書くなよ」
「ラブラブって書きたかったの我慢しただけ偉くない?」
「子守りって書きゃよかったな」

 あーあ。
 今日が終わらなければ、いいのに。

「あのさ。大地くん」
「ん」
「夜って。……その」

 門限あるのかな。

「なんすかね」

 ええい、聞いてしまえ!

「外泊許可とってきた?」
「とりましたよ」

 ――――!

「ほんとに?」

 まさかの、即答。躊躇なくイエスと言われてしまった。

「嘘ついてどーする」
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