君がいたから

「そうだよな、こんなに辛くて嫌になるよな。
なのに頑張れって
応援することしかできなくてごめん…」


私の弱音も否定せず聞いてくれて
ときどき唇を噛みしめながら
顔を撫でてくれる蓮…


もう治療しなくていい…
あまりの辛さにそんな言葉までもが出かかったけど
ギリギリのところで抑える。


私だって、死にたくなんてないし

一生懸命、治療してくれる蓮にそんなこと言ったら、
蓮にも悲しい気持ちにさせてしまう。


そのかわりに声を出して
泣いてしまう。

「グスン…ヒック………グスン 」


胃酸のせいで、口の中が酸っぱくて

喉がヒリヒリ痛くて泣くのも辛いのに、

どうしても止まらなかった。



始まったばかりの副作用だけど心はズタズタ


こんなことが

これからも続くとなると、耐えられないよ







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