君がいたから

「俺の声に合わせて深呼吸して
吸って、吐いて 吸って …………」


吸入器を口元に当てながら、背中をさすってくれる蓮…

だけど、今回発作が止まるまで
30分もかかってしまった。


「疲れたな。もう苦しくない ? 」


「うん………ごめんね…こんな時間に 」


「全然平気だよ。 呼んでくれなかったら怒っていた。
発作の後って寝るの怖いと思うから
眠れるまで、そばにいるよ 」


「ありがとう 」


蓮の睡眠時間を削ってしまうのは
嫌だけど、こういうときの蓮は何言っても
いっしょにいてくれるから、

とにかく目を閉じて眠ることにした。



だけど

2時間後

また、喘息の発作で目を覚ます。


今度はなんとか、自力で治まったものの


一晩で運動もしてないのに2回発作起きるの?

喘息まで悪化している?

そんな不安が頭の中をぐるぐるしてしまう。



小さく頃からつきあってきた喘息…

風邪引いたとき、無理な運動したときは

発作たくさん起こしていたけど、
眠っているときにこんなに酷くなるの初めてだよ

眠ったらまだ発作が起きそうで怖くてそれから一睡もできなかった。




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