君がいたから

薄っすらとオレンジ色の光が差込んでいる中
ボーッとしていると
だんだんと部屋も明るくなっていく…


ん…? もう朝か………
眠れてないからなのか、副作用なのか

わからないけど、ズキズキと頭痛い。




周りを見ると、透明なビニール…


心の中の感情まで閉じこめられた気分で

悲しいとか寂しい…って感じなくなってきた。

変な気分…
昨日までそんな弱い気持ちを抑えるのに

必死だったのに…


でも、その方が楽…
いっそ痛みも、体の辛さも感じなくなれば良いのに…




部屋が明るくなってから30分ほどすぎると

そこには蓮が笑顔で立っていた。


「結愛、おはよう
しっかり眠れた ? 」


「…うん 」


嘘つくことに後ろめたさもあったけど

あんまり、心配させたくはなかった。



「じゃあ、少し聴診するね
リラックスだよ 」


ビニールの穴から手が入ってきて

肌に聴診器が当てられたけど、
いつもより聴診の時間が長い。

夜中の発作のせいだよね…


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