君がいたから

「苦しいかもしれないけど
ゆっくり深呼吸だよ 吸って 吐いて………」


「ゲホッ………スー ハー 」


蓮の声に合わせて呼吸していると、苦しさがなくなってきて、普通に呼吸ができるようになった。


「…蓮ごめんね。この前 酷いこと言って。大好きだよ 」


不思議な世界に迷いこんで
死んじゃったかと思ったとき一番後悔した。

言ったことは取り消せないけど
こうやって生きて戻ってこれた。

だからこそまず1番に謝って、
大好きって伝えたかった。


しばらくの間沈黙が続く。

やっぱり…いくら優しい蓮でも酷い言葉思い出して怒っちゃったかな…

静かすぎてそんな不安も感じた瞬間、蓮に抱きしめられる。

いつもみたいな優しい温もりだった。
でも、いつもと何かが違う

背中に小刻みに震えるような振動を感じた。


「………蓮どうしたの? 」


蓮の手が震えていたから、聞いてしまった。




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