君がいたから

「結愛が無事で良かった
目は覚めないし、一時的に心音も弱くなって本当に心配したんだから 」


蓮の涙が私のパジャマにシミを作っていく
パジャマ冷たいよ…

でも、濡らされれば濡らされるほど、
心はポカポカに温まっていく。


「心配かけてごめんなさい… 」


心音弱くなるとか
もう少しで本当に死んでたのか…


あの不思議な世界も天国に案内されそうになったのも現実だよね。
夢ならすぐに忘れるはずなのに…
思い出すと震えるくらいはっきりと覚えているし…


「謝らないで。結愛は悪いことしてないし、大切だから心配するのはあたりまえ。

もちろん、陽翔先生も結菜さんも俺も心配したし、陽翔先生は体も痛い思いした。

でもさ、一番頑張って辛い思いをしたのは結愛。俺は結愛が生きているだけでいいの 」


「ありがとう 私って本当に幸せものだね 」



移植前に説明された、拒絶反応で体がジリジリ痛い。

そんな痛みがあっても、
生きていてまた蓮のところに戻れたから幸せ


「俺のほうが結愛からたくさんの幸せもらっているよ。
まあ結愛が回復したら世界一幸せにするけど 」


「…グスン…蓮が大好き 」


蓮にも私も涙がいっぱいだったけど
視線が重なる。







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