君がいたから

ドアを開け車のエンジンをかけて、前に進む。


ときどき、外を見て結愛ちゃんのことを探すけど、しだいに雨がザーザー降ってきて、視界が悪くなる。

傘が無くてこんな雨に当たったとしたら
相当体に負担かけるし、下手したら命の危険があるかもしれない。

ワイパーでガラスについた水をはらいながら
信号で止まった時に周りを見渡す。


それでも、結局見つからなくて、もしかしたら家に帰っているかもしれないと思い、結愛ちゃんの家まで行く。


マンションのエレベーターのボタンを押して
結愛ちゃんの家のドアまで行ってインターホンを押して待っていると、

何回か会ったことがある陽翔先生の妻の結菜さんが出てきた。


「はい、 …………あっ、蓮先生
どうしたんですか ?」


「結愛ちゃん、家に帰っていませんか? 」


「まだ、帰ってきてないです。
とりあえず、家に上がって下さい 」

ただ事ではないと察したみたいで、
結菜さんは、表情を変える。

時刻はもう17時で、
外も暗く、冷たい雨もまだ降り続いている。


不安になり、結愛ちゃんにメッセージ送って電話もするけど、出てくれない。


せめて、無事なら返信だけでもと…
そう思いながらも結菜さんについていき
家に上がる。




< 65 / 220 >

この作品をシェア

pagetop