直球すぎです、成瀬くん





楽しかった夕食の時間も終わり、再びバスへ乗り込む。


座席は何となく固定されたようで、みんな行きと同じ席に座っていた。


成瀬くんも先ほどと同じ席に座っていたので、私もその隣の席に向かった。



成瀬くんはまた、頬杖をつきながら窓の外を見ていた。




しばらくして、バスが動き出した。

車内は、先ほどの夕食の話や、ホテルに戻ったあとの予定を話す声で盛り上がっている。



…本当に美味しかったなあ……あ、そうだ、私も百叶に、温泉入ったあとどうするか連絡しようかな…


「おまえもちょっとは成長したな」

「………え?」


リュックのポケットからスマホを取り出したその時、隣から声が聞こえた。


「よく知らねー女子と喋ってただろ」


み、見てたんだ……!


また、背もたれに頭を預けながら成瀬くんは続けた。


「おまえビビって、西内たち以外の女子とほぼ喋んねーだろ」

「…はい…」


同じクラスの女子と少し話すことはあっても、全く面識のない別のクラスの子と話すことなんてほとんどなかった。緊張で、話せる気がしなかった。


だけど、さっき、少しだけだったけど話せた。

…話しかけてもらっての会話だったけど……



「おまえ、割とちゃんと笑ってたよ」

「……え?」


ふっと口元を緩めた成瀬くん。


「前のおまえ、笑ってても、いかにも合わせて笑ってますって頑張ってる感めちゃくちゃ出てたけど…さっきのは、割と、フツーだった」

「ふ、フツーって…」



……けど、成瀬くんの言ってること、ほんの少しわかる気がする。

やっぱり少しは緊張したけれど……前の私ほど、力んでなかった気がする…ような…少しは自然に話せるようになったような気が……





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