直球すぎです、成瀬くん
18
「じゃあ来週は実験だけど、どうせおまえらすんなり決まんないだろうってことで、先生が勝手にペア決めたから」
ええ〜〜、と口を尖らせる男子たちを手で制すると、先生は手元の教科書をぱたんと閉じた。
「そのペアでやること、異論反論は一切受け付けねーからな」
そしてタイミングよく鳴ったチャイムとともに、先生は颯爽と教室を出て行った。
騒つく教室の中、私も手元のノートを閉じた。
ーーー修学旅行のあの夜以来、私は何となく、成瀬くんと顔を合わせるのが気まずくなっていた。
成瀬くんはというと、私と同じ気持ちなのか普段と全く変わらないのかわからないけれど、特に話しかけられることもなく………私はそれまで通り、いつも百叶と一緒に過ごしている。
だけど……やっぱりあの時の成瀬くんは、少し様子がおかしかった気がする…
「………」
「うげー、1番前じゃんサイアク」
「あ!ペア一緒だ〜よかったあ〜!」
翌週。
実験室の入り口ドアに貼られた座席表を確認した私は、自分のその隣に書いてある名前をただぼーっと眺めることしかできなくなっていた。
………どうして…よりによってこのタイミングで………!?
「…柚?どした?」
「……え、あ、」
棒立ちの私の顔を心配そうに覗き込む百叶に、私は慌てて笑顔を作ってみせた。
「ううん、何でもない…!」
指定された席に向かうと、私の隣の席には既にその姿があった。
「………あ、えと…よろしく、お願いします…」
テーブルに突っ伏しながらスマホを触っていた成瀬くんは、私の声に気づくと、目線をスマホから私に移した。