直球すぎです、成瀬くん
私がここまで話せるようになったのも、全ては成瀬くんが清々しいほどにはっきりと言葉を口にするから。
だから私もそれに釣られて、成瀬くん相手には、少しずつ言葉にできるようになってきた気がしている。
「…成瀬くんになら、何でも話せるようになってきた気がしてるので、少しずつ、百叶たちにも自分の思ってること言えるようになってきました」
「……」
「……でも、正直まだ少し怖いんです。やっぱり嫌われたくない、今これを言ったらみんなどう思うかなって………考えて……言えなくなる時もあるんです……言葉が、………喉の奥に引っかかっちゃって……まだまだ頑張らなきゃですね」
「……」
言い終えて、努めて笑顔で目の前の成瀬くんを見ると、特に表情を変えることなく私をじ、と見ていた。
「…あ、あ……急にこんな話、ごめ…」
「頑張るも何もなくね?それが今のおまえだろ」
「え、」
「今俺に言ったこと、本人たちに直接話してみればいーじゃん」
……百叶たちに、今話したことを、言う………?
「数ヶ月前のおまえだったらぜってー無理だけど、今のおまえならできんだろ」
「……」
「おまえの気持ち、ちゃんと受け止めてくれるやつらじゃねーのかよ」
……そっ、か……そうだよね、
思ってることは口にしないと伝わらないし、この先ずっと心の中で引っかかったままじゃ、やっぱりいけない。
ちゃんと、百叶たちに話してみないと………
「……そうだよね、ありがとう、成瀬くん。私、頑張って話してみる」
「頑張るなって、今のおまえのままいけよ」
「…っえ、」
立ち上がると同時に何かを私の手元に投げた成瀬くんは、そのまま図書室を出て行った。
手元を確認すると、綺麗な包み紙に包まれたチョコレートが1粒、転がっていた。
「……成瀬くん、甘いの苦手って言ってたのに…」
思わず口角が緩んでしまった。
……やっぱり少し怖いけれど、でも、変わらなきゃ。
成瀬くんがこんなに勇気をくれた。あとは私が………