直球すぎです、成瀬くん
「あたし、実を言うと、柚との間にうすーーい壁みたいなのを感じること多かったの。何か、一線引かれてる?みたいな。でも、いつも笑って接してくれる柚は、あたしたちが楽しめるように色々考えてくれてるんだなって、何となく思ってたの。いつも合わせてくれてたのも、あたしたちのこと考えてのことなのかなーって。確証は全っ然なかったけどね!」
そう言って、私にいつもの眩しい笑顔を向けてくれた。
………みんな、そんな風に思っててくれたんだ…………
「柚はちょっと優しすぎ。私たち、こうして出会って仲良くなれたんだから、遠慮なんていらないよ。もっと言いたいこと言っていいんだよ」
穏やかに、ゆったりとした口調で、百叶が私の背中をさすってくれた。
「確かに!柚がもっと思ったこと言ってくれるようになったら、もっと楽しくなりそう!」
「仲良いのに壁あるの、やっぱり何か引っかかるしね」
「百叶、まりなちゃん、玲可ちゃん……ありがとう……」
ふっと、ずっと張り詰めていた糸が緩んだみたいに、私の目からは大粒の涙が溢れてきた。
「柚のことだから、これ話すのも、ここに私たちを集めるのも、すごく勇気がいったんだよね」
ずっと背中をさすってくれている百叶の問いかけに、私は顔を覆いながら何度も頷いた。
「いいんだよ、ちょっとずつで」
「そうそう!柚のペースでね!」
私はようやく涙を拭うと、3人の顔をしっかりと見つめた。
「ありがとう、本当に………少しずつ、頑張ってみるね……!」
私の言葉に、3人は真っ直ぐに頷いてくれた。
ずっと心のどこかで引っかかっていたものが解けた気がした。
嫌われるのが怖いって気持ちが完全に消えたわけじゃないけれど、私の言葉を受け止めて、こんな風に言ってくれる3人がいる。
もう、何も怖いものなんてない気がする。
「ハイ、チョコあげる!」
「…え…?」
目の前のまりなちゃんが、私にキャンディー状のチョコレートを差し出す。
「柚が勇気出して話してくれた記念…?」
「何ソレ〜!」
「ありがとう…あの、またみんなのこと、お昼誘ってもいい…?」
「え、当たり前じゃん!明日も集まろうよ!」
「まりな、明日土曜だよ」
「ウソ初耳」
みんな一斉に声を上げて笑った。
こんな尊い毎日を、私は絶対に守りたいと思った。