直球すぎです、成瀬くん
「柚ー帰ろー」
あの話をした日から数日。
放課後いつものように私に声をかけてくれた百叶と並んで学校を出た。
歩いてしばらくして、百叶が話し始めた。
「…柚この前、私たちに話してくれたでしょ?お昼に」
「……うん」
「私も実は柚と似たところあるなあって思って。柚が周りに対してあまり気持ちを言えなかったように、私も、周りに対して自分の弱いところを見せられなくて……。見せたいってわけじゃなくて、必死に隠してたっていうか……それがちょっとしんどいなって思うこともあったの」
「…うん」
「でもね、中学で柚と出会って仲良くなったら、不思議と柚には甘えられたの。家とか、他の友達とかには、やっぱり…私のイメージ…?しっかり者の西内百叶でいたい、いなきゃって…そうしなきゃって思いが強くなっちゃうんだけど、柚の前では、どうしてかわかんないけど、何でも言えたしどんな気持ちも口に出せたの……これ、前にも話したことあったかもだけどね」
少し照れくさそうに指先をいじる。
「…だから、この前柚が話してくれたの聞いて、やっぱりそういうことだったんだって確信持てたの。柚が私のこと見てくれてて、どうしたら笑ってくれるかな、楽に話せるかなって、すごいたくさん、考えて、接してくれていたからなんだよね」
「……」
「だから私は、柚に出会えて本当によかった。柚がそうやってたくさん気持ちを考えてくれたから、変われたの」
「…百叶……」
「だから今度は柚が、周りのこと気にしすぎないで、自分の気持ちを出せるように、私頑張るね…!私の方が柚と付き合い長いんだもん、成瀬くんに負けてられないし…!」
「…え、何で…」
唐突に成瀬くんの名前が出てきて驚いた私は、思わず足を止めた。
「そりゃわかるよ、柚のこと見てれば。柚がそうやって言ってくれるようになったの、きっと成瀬くんのおかげでしょ…?」
嬉しそうに目を細めた百叶は、「ほら行こう」と私を促す。
「お互い頑張ろうね。私もまだあの2人に対して強がっちゃう時あるの…何となく引っかかってたから、私も少しずつ頑張る。だから、一緒に頑張ろう、柚」
「…うん、ありがとう、百叶…!」
並んで伸びる2つの影を、私は胸がいっぱいになりながら見つめていた。