直球すぎです、成瀬くん
「ちょっと!何で教えてくれなかったのそんな大事なこと!!」
「言い出すタイミングなくて…」
「タイミングも何もすぐ教えてよー、ひどい!」
「ごめん…」
両手を合わせる玲可ちゃんに「あとでこの3人に1つずつドーナツ追加ね」ととんでもないことを言い放つまりなちゃん。
「…で、誰なの?」
「え」
アイスティーを一口飲んだ玲可ちゃんが短く返事をすると、またまりなちゃんに火がついた。
「えじゃない、相手!年上?大学生?」
「…バイト先の先輩」
「っえー!!ってか、前に言ってたイイ感じの人!?」
「…そう」
「まじで!すご!!おめでとう!!!」
私と百叶も「おめでとう!」と伝えると、今度はまりなちゃんが私たちに飲み物を持つように促す。
「え、え、」
「玲可おめでと〜!カンパ〜〜イ!!」
まりなちゃんの声で、私たちはそれぞれが手に持ったグラスをかちんとぶつけ合った。
まりなちゃんのこのテンションを全く予想できなかったらしい玲可ちゃんはグラスを手にしたまま、まりなちゃんに肩を組まれたまま思わず吹き出してしまった。
「ありがと、まさかこんなにしてくれると思わなくて」
「えーいいなあ、あたしも大学生の彼氏欲しい〜〜」
口を尖らせながら、最後の一口のドーナツを口に放り込む。
「ねえ、玲可のバイト先、いい人いない?誰か紹介してよー」
「……わかった、あの人に聞いてみる」
「…あの人?」
「……………か、彼氏…」
頬を淡く桜色に染めた玲可ちゃんの姿に、私たち3人は一瞬固まった。
「っもー!!可愛いなもう!!!」
さっきまりなちゃんに解放されたばかりの肩を再び組まれた玲可ちゃんは、幸せそうにくしゃっと笑った。