直球すぎです、成瀬くん




【物置来い】



放課後。

ホームルームを終えて帰り支度をしていたら、ポケットにしまっていたスマホが鳴った。


画面を確認すると、1件の通知が入っていた。

誰からのメッセージなのか名前を見るまでもなく、その文面だけで相手がわかった。


教室を見回すけれど、その姿はなかった。




「柚、帰ろう」

「あ、百叶…」


鞄を持っていつものように私の席に来た百叶に、申し訳なく頭を下げた。


「ごめん百叶、今日先に帰ってて…」

「え…どうしたの?」


心配そうに私を見る百叶に、「呼び出されちゃって…」と続けた。


「…あ、もしかして成瀬くん?」


すぐに察した百叶がその名前を出すと、私はおずおず頷いた。




ここ最近になって、成瀬くんは突発的に私を物置に呼び出すようになっていた。

何かと思えば特にこれといった用はなく、いつも放置されているけれど……


朝のホームルーム前、お昼、それから放課後と、その日によって呼び出される時間は変わるけれど、私はたいてい百叶と一緒にいるから、その度に彼女に説明をしていた。

だから今回も、私が具体的に言わなくとも百叶には伝わっていた。



「わかったよ。じゃあ、また明日ね」

「…うん、また明日」


教室から百叶を見送ると、私は鞄を持って、昇降口とは反対方向に急いだ。






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