直球すぎです、成瀬くん

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「柚ー?」


「……っえ、あ、何…?」

「大丈夫?さっきからボーッとしてるけど…」


目の前でペン回しをするまりなちゃんが、心配そうに私の顔を覗き込んでいた。


「あ、ごめん、大丈夫…!」


いつの間にか遠くに行っていた意識を慌てて引っ張り戻して、私は努めていつもと変わらない笑顔を作ってみせた。


「そー?ちょっと元気なくない?」

「…確かに。ここ最近ずっとそんな感じじゃない…?」

「…あ、わかった。テスト近づいてきたからユウウツになってるんでしょ!わかるよ〜あたしもできることなら受けたくないもんテスト」

「成績優秀な柚がそんなこと思わないでしょ。憂鬱なのまりなくらいじゃない?」

「えっヒドイ玲可〜!そんなこと言うならここ教えてよ!ここわかんないせいで気分ガタ落ちー」

「どこよ、どれがわかんないのよ」


まりなちゃんに差し出された教科書を見ながら、自分のノートを使って説明を始めた玲可ちゃんを、私はボーッと眺めた。



「……ゆ、柚…?」


「………え、あ、ごめん、!またボーッとしちゃってた…」


隣に座った百叶にも声をかけられ、私は慌てて背筋を伸ばした。

みんなテストに向けて勉強頑張ってるのに、私だけこんなの、ダメだよ………



「……何かあった……?」


手に持っていたシャーペンを一度置くと、体の向きを変えて、私の表情を読み取るかのようにじっと見つめる。


ずっと一緒にいる百叶には、目を合わせたら全てを見透かされてしまう気がして、私はそっと視線を外した。


「だっ、大丈夫…!ごめんね、みんな頑張ってるんだから私もしっかりしなきゃだよね…!」


気持ちを切り替えるために水をごくりと飲み込むと、私は改めて目の前のノートに集中した。






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