直球すぎです、成瀬くん
私から成瀬くんに、こんなにしっかり何か意見を言うなんてこと今まで一度もなかったせいで、私の心臓はバクバクとどんどんスピードを上げていく。
「言葉って、口にしたら、受け手の解釈でどんな風にも伝わるんです…人を、1番簡単に傷つけられるんです………だから、何かを口にする前に、考えるのも大事だと思います……」
言いながら、私自身も、選んだ言葉が本当に合っているのか、自信がなかった。
けれど、今の私が選べる1番の選択肢を繋ぎ合わせて、成瀬くんに届くようにと、考えながら……
「……んだよ急に、説教なら聞かねえよ」
成瀬くんに、届くように………
「成瀬くんが成瀬くんを否定したみたいで、傷つけたみたいで、ショックでした…成瀬くんは、すごいんです…!私が言ってももしかしたらあんまり伝わらないかもしれないけど、本当に、私にとって成瀬くんは…」
「うるせえよ、成瀬くん成瀬くんて」
「っ、」
静かに、けれど鋭さを持った声で一蹴する。
「俺はおまえの何なの?おまえは俺の何なの?わけわかんねえよ」
そして、僅かに聞き取れるくらいの声でぼそりと口にした成瀬くんの言葉が、私の心臓を容赦なく、深く突き刺した。
「……嫌いだ」
変わった信号で、私に背を向けて歩き出した。
さっきまで聞こえていたはずの賑やかな声なんて、もとからなかったかのように、私だけが取り残されたみたいに、音が消えて、光が消えた。
代わりに、私の心にたった1つ残ったのは、成瀬くんに向けていた憧れの気持ちは、いつの間にか好意に変わっていたことだと、溢れ出た涙と一緒に、初めて自覚した。