直球すぎです、成瀬くん
少しの間が空いたあと、百叶は私を真っ直ぐに見つめて言った。
「柚はそれだけ、成瀬くんのことが好きなんだね」
「…え……」
思いがけない言葉に、私は目を見開いた。
「…柚のこと見てたら何となくわかるよ、何年一緒にいると思ってるの」
柔らかく微笑むと、白くて柔らかい手のひらが私の髪を撫でた。
「……私ね、この前、成瀬くんに伝えたくて話をしたんだけど、最後にね………嫌いだって……」
「………え……?」
「…嫌い、って言われて、その言葉で、初めて、私は成瀬くんが好きだったんだって、気づいたの…」
「え……ちょ、ちょっと待って」
突然顔色を変えた百叶が、ゆっくりと確認するように口を開いた。
「それ……何、どういうこと…まさか、柚に対して?」
「……うん、たぶん…」
「え、何それ…今までずっと柚のこと思って色々やってくれてたと思ってたのに、柚もそんな成瀬くんを信じて変われたのに、どうしてそんなことが言えるの?おかしいよ…!」
「……私が、気づかないうちに、成瀬くんを怒らせるようなことしちゃってたのかもしれないし……」
「それなら理由言うでしょ、いつもはっきり言葉にする成瀬くんなら。どうしてこういう時だけ何も言わないの?ズルくない?」
「な、成瀬くん、私を傷つけないために、言わないでいてくれてるのかもしれないし……成瀬くん、意外と優しいところあったりするし…」
「嫌いなんて言う時点で柚のことめちゃくちゃ傷つけてる、それで一方的に終わらせて何も言わないとか、そんなの全然優しさじゃない…!」
こんなに語気が強い百叶を、初めて見た。
私は、その姿に圧倒されてしまった。