直球すぎです、成瀬くん
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「じゃあくれぐれも、羽目外さないようにー」
「はあ〜〜い」
そう念を押す先生の声などあまり届いていないような返事で、ホームルームが終わった。
クラスはもう、今日のクリスマスと今まさに始まろうとしている冬休みで頭がいっぱいで、浮き足立っていた。
そんな中で、おそらく私だけだろう、妙な緊張感で変な手汗を握り締めながら、放課後が来るのを待っていたのは。
起立し、最後の挨拶を済ませると、わっと賑やかになる教室。
私はそっと成瀬くんのほうに目を向けた。
ポケットからスマホを取り出した成瀬くんは、何かをじっと見ていた。
……LINE、ちゃんと見てくれたかな………
朝にトークを確認したけれど、まだ既読はついていなかった………
でも、大丈夫。きっと来てくれる…………
「……柚、私買い出し行くけど…」
本当に大丈夫?と心配が滲み出てしまっている百叶を安心させるように、私は力強く頷いた。
「うん、行ってらっしゃい。ちゃんと連れて来るね」
「……うん、わかった。もし、何かあったらすぐ連絡ちょうだいね」
「うん、ありがとう」
じゃあまたあとでね、と百叶を見送る。
そして私は物置に向かうべく、鞄に手をかけた。
教室に、成瀬くんの姿は、ない。
一瞬、ドキリとした。
帰ってしまったかも、と一瞬頭をよぎった。
しかしすぐに切り替える。
待ち合わせるのはここじゃない。
もしかしたらもう、先に着いているかもしれない。
待たせてるかもしれない。
楽しげに昇降口へ向かって行く生徒の中を、それとは反対方向に走り出した。