直球すぎです、成瀬くん
……いや、まだ成瀬くんが来てくれないと決まったわけじゃない。
もしかしたら、もうすぐ来てくれるかもしれない……
それで、再び時間を確認する。
「……え…」
14時になっていた。
いつの間にか、こんなに時間が経過していたことに驚いた。
……さ、さすがに、こんな時間に残っている生徒はいないよね…………
………てことは……………
最悪な事態を想像した。
…って、だめだめ、こんなところで諦めちゃだめだよ私。
成瀬くんは、きっと、来てくれる…………
どこにもない根拠で何とか自分を奮い立たせると、血迷った証に開けた窓を閉めた。
そして祈るような気持ちで、また椅子に座り直した。
それからしばらく待ったけれど、成瀬くんが来る気配どころか、この校舎にはもう先生すらいなくなってしまったんじゃないかと思ってしまった。もう本当に、私しか残っていない気がした。
ドアの向こうは依然として静まり返っているし、窓の外にもさすがに生徒の姿はなく、何の声も聞こえない。
再び時間を確認する。
…………もうこの時間じゃ………
……それなら私は一刻も早くここから出て、成瀬くんを探しに行かなきゃ………
覚悟を決めると、私は立ち上がって再び窓に手をかける。
開けるとまた刺すような風が吹き込んできた。
…怖い………でも、成瀬くんに会わなきゃ、会ってちゃんと話をしなきゃ………
椅子を引っ張りその上に乗り、窓枠を掴む。
心臓がドクドクと不気味に音を立て、手のひらがじわり冷やりと汗ばんだ。