直球すぎです、成瀬くん
「……なっ、成瀬くん、何して…」
「何してんのか聞きてーのはこっちなんだけど」
制服のズボンの裾を払うと、じっと私を見た。
あ………目が、合った………
久しぶりに、成瀬くんと、ちゃんと目が合った……
それを認識した途端に、急に目頭が熱くなった。
懐かしさすら感じた。いつも真っ直ぐ見てくれていた、あの成瀬くんが、今目の前に、すぐそこに…………
「…もうここ来んなっつったのに、何でおまえから呼び出すんだよ……その上閉じ込められてるし……アホじゃねえの」
あ………いつもの……いつもの、成瀬くんだ……………
「で何だよ勇気出たとか。そんなことに勇気出すな、3階から飛び降りたらどうなるかわかるだろうが、バカかおまえ」
少しきつい口調ですら、嬉しくなってしまう。
いつもの、成瀬くんだ…………
気づいたら頬につう、と涙が流れた。
ぎょっと目を見開いた成瀬くんが、慌てて私に駆け寄る。
「な、何泣いてんだよ…まさか、どっか怪我した?どっかいてーのか?」
言いながら私の手を掴んで、怪我がないかをあちこち確かめる成瀬くん。
「…ううん、大丈夫」
慌てて涙を拭って首を振ると、どこからか低い声が聞こえた。
「おい、誰かいるのか」
「っ、」
私と同様に、声のする方に目を向けた成瀬くん。
まさか、先生残ってたの………!?
さっきまであんなに来て欲しかった先生がもうすぐそこまで来ているらしく、どんどん足音が近づいてくる。
「やべ。さっさと行くぞ」
「え、」
私の手を掴んだままの成瀬くんは、そのまま私を外へと引っ張り走り出した。