直球すぎです、成瀬くん
「……悪かった」
…え…………
目の前の成瀬くんは、バツが悪そうに頭を下げた。
「……あんな風に言うつもりなかったし、おまえのこと傷つけるつもりもなかった…でも、傷つけた、ごめん…」
「え、な、成瀬くん、顔上げてください…!」
見たことのない成瀬くんの様子に、私は動揺してしまう。
「…どんどん変わっていくおまえ見てて、嬉しかった。見たことない色んな顔するようになって、色んなやつと喋れるようになっていって……よかった…はずなのに、何か、正直に喜べねー自分がいることに気づいた」
「……え………?」
「変わっていくおまえがどんどん遠くへ行くような気がして、思わず引き留めたくなった。でもそれは、またおまえを閉じ込めることになるかもしれないと思えて、できなかった。だから離れようとした。というかそもそも、おまえは俺のもんじゃねーし…」
はっきりと、落ち着いた口調で話す成瀬くんの言葉を、私は1つも聞き逃さないようにじっと耳を傾けて、次の言葉を待った。
「おまえこの前、俺に言っただろ、口にする前に考えろって。言葉は簡単に人を傷つけられるんだって」
「あ…あの時は、偉そうに言ったりしてごめ…」
「あの言葉でもう、俺はおまえに合わせる顔ねえって思った。言葉にするってことの手本になろうとして、おまえに色々ハッキリ言いすぎてた。たぶん、俺が気づいてねーだけで、たくさん傷つけたって思った。…だからもう、話せなかった。話す資格もないと思った」
そこまで言うと成瀬くんは、また次の言葉をじっくり考えるように黙ってしまった。