直球すぎです、成瀬くん
「………成瀬くんらしくないです」
「……え…」
「こういう時こそ、言いたいことはっきり言わないなんてずるいです。いつもだったら好き放題言うのに、急に人が変わったみたいに、黙って何も言わなくなるとか、私のことずっと避けたり、本当にずるいです」
「……」
「成瀬くんが言わないなら、私が好き放題言います、今までずっと避けられてきた分言います…!」
キッと成瀬くんを睨むと、まさかそんな顔をするとは思っていなかったらしい成瀬くんは、驚いたように目を丸くした。
「話す資格ないって誰が決めたんですか!私が成瀬くんと話したいって何度も言ってたのに、どうしてそう1人で勝手に決めつけるんですか?資格あるとかないとか、何で成瀬くんに決められなきゃいけないんですか、私が成瀬くんと話したいんです、理由がこれだけじゃダメなんですか!?」
……あぁ、私どうしちゃったんだろう。
堰を切ったように、言葉が次から次へと口から飛び出てくる。
「何回も言ってるじゃないですか、成瀬くんがいたから変われたって、成瀬くんのおかげだって。成瀬くんにそんな自覚なくたって、私にとって成瀬くんはすごいんです!本当に、なんでわかんないんですかあほなんですか…!」
……あー、成瀬くん、ものすごくびっくりしてる。
でも、口から出てくる言葉を抑えられない……
「…ずっと成瀬くんに話聞いてもらえなかった時間、私がどんな思いでいたかなんて知らないくせに… 急にわけわかんないこと言われて避けられて、話しかけたらもっと突き放されて、意味わかんないです…!」
…あぁ、だめだもう……バカだな私…嫌われてるってわかってるのに何でこんなこと……
「……避けられて、嫌いって言われたのに、わかってるのに………仕方ないじゃないですか…!だって私もう、とっくに成瀬くんのこと好きだったのに…!」
「…………え…」
「成瀬くんが教えてくれたんですよ、自分の気持ちに正直に、嘘つかないって………何で、さっきから何も言わないんですか、いつもみたいに、うるさいとかアホとかどうして」
「おまえ1回黙れ」
ふっと近くなった体温に、触れた前髪に、柔らかい感触に、唇が触れたと理解するのに、どれくらいの時間がかかったのかわからなかった。