直球すぎです、成瀬くん
コテージの中は、百叶と宮城くんが飾り付けた煌びやかな装飾で華やかになっている。
それをぐるりと見回すと、まだ状況が掴めていないらしい成瀬くんは首を捻った。
「え、じゃねーよ、おまえの誕生日だろ今日!」
「………あー」
「あーって!まさかおまえ、自分の誕生日忘れてたわけじゃねーよな…!?」
「や、忘れてた」
落ち着いた表情でそう答えた成瀬くんに、宮城くんは頭を抱えた。
「カンベンしてくれ、いくつだよおまえ!まだキラキラぴちぴちの17じゃねえか!」
「……おう、」
「友達が超少ない蓮クンのために、数少ない貴重なこの3人のお友達がサプライズで誕生日パーティ準備したんだから!」
「……え、俺おまえといつ友達なったっけ」
いつものトーンでさらりと返した成瀬くんに、宮城くんは一瞬硬直した。
「…ゆずゆず、ももちゃん、俺そろそろ泣いていいかな」
「嘘うそ、わりぃ……ありがとな、宮城、宮藤、西内さんも」
そう言って1人1人と目を合わせて、ほんの少しだけ微笑んだ成瀬くん。
「えっ、あっ、どういたしまして…!」
予想外すぎる成瀬くんの言葉に驚きながらも何とか反応した私と百叶の横で、宮城くんは信じられないといった表情で口をパクパクさせている。
「え……え…………成瀬が……俺に…初めてありがとうって言った………しかもちょっと笑った……え、ウソ…」
「笑ってねーよ、どこに目つけてんだよ」
「いーや笑った!俺が見逃すわけない!表情筋1ミリも動かさないおまえが笑ったとこ見逃すわけない!」
そう言いながら嬉しそうに成瀬くんの肩に腕を回す宮城くん。
それを嫌そうにしながらも本気で腕を振り解こうとしない成瀬くんたちの後ろ姿を見ていたら、そっと百叶が近づいてきた。
「…柚」
「…ん?」
「ちゃんと話せたっぽいね、よかった」
心の底からほっとしたように、百叶は私の背中を優しくさすった。
「…うん、たくさん気にかけてくれてありがとう」
「全然、あ〜よかった、安心した〜」
ふっと緩んだ百叶の表情に、私もつられて口元が緩んだ。