よせなべ
「できたぞー」


アルミ鍋を手に部屋に入ると、コタツの上が片付いていた。

ちょうど鍋を置けるだけのスペースが確保されており、鍋敷きの代わりか、その辺に転がっていた少年誌がコタツの中央に設置されていた。


「お、マジか。ちょい待って、もうすぐラスボスだから」


「おー、ってそれ俺のデータじゃん! しかもラスボスかよ!」


「気にすんなよ」


「いやお前が気にしろ」


やれやれと思いながら俺は鍋と取り皿を並べた。

こんな時の為にセーブデータを複数作っておいてよかった。
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