黙って俺を好きになれ
「あーオレ、好きな人いるんでー」

20センチくらいは身長差がある彼がこっちを見下ろして困ったように笑った。

「でも全然オトコに見られてないらしくて鋭意努力中っす」

「・・・叶うといいね」

何も知らないのに無責任に『頑張って』も言えない。

「ほんとにそう思ってくれますー?、糸子センパイ」

「思ってる」

「じゃあ頑張ろーっと!」

最後はふにゃりと笑って帰って行った。
オレのうさぎ大事にしてくださいねーと、念押しを忘れないで。




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