こじらせ社長のお気に入り
最初から、そういう人だったじゃない。女の子とあらば、誰でもいいみたいな。

ちょっとだけ優しくされたり、庇ってもらったりして、勘違いしそうになっていた自分が情けない。
もう流されるばかりの中身のない自分なんて嫌だって、これまで頑張ってきたのに……
今度はなに?別に告白されたわけでもないのに、無駄にドキドキして、勝手に振り回されて……バカみたい。
流されてたまるか。




まだ戻りたくなかったけれど、いつまでも籠もっているわけにもいかず、重い足取りで社長室の自分の席に向かう。ため息を一つ吐いて、扉の取手に手をかけると同時に、内側からドアが開けられた。

「わあ、ご、ごめんなさい」

副社長が出てくるところだった。

「いえ、こちらこそ」

そう言いながら、私の顔色を窺ってくる。この人のこの〝なんでもお見通しです〟的な雰囲気は、ある意味少し怖い。

「笹川さん、大丈夫ですか?」

「えっ?あっ、はい」

「きつく言っておきましたから」

なにを?と思いながら、副社長が向けた視線の先を辿る。そこには、少ししょげた様子の社長がいた。


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