こじらせ社長のお気に入り
「俺の理性が本能にまさっているうちに送ってく」

一瞬、本能に流されてもいいんじゃないかって囁く自分がいた。
でも、もう流されるだけの自分は嫌だと、自力でそれを打ち消してにっこりと微笑む。

「明日も仕事ですしね」

「さすが、仕事一筋の笹川ちゃん。俺の優秀な秘書だ」

「上司と部下の線引きですね」

仕事に恋愛を持ち込まなければいいんだ。

「そうだな。俺は仕事を頑張ろうとする、新入社員としての笹川ちゃんの邪魔にだけはなりたくない」

車に乗り込みながら話を続ける。

「そこは、私もそうして欲しいです。なので、席はしばらくそのまま……」

「は!?」

被せるように、颯太君が口を挟んだ。



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