こじらせ社長のお気に入り
「前だって、一緒の部屋で仕事ができてたんだ。同じ空間に柚月と二人っきりっていう、俺の小さな安らぎぐらいいいじゃないか」

「いやいやいや。一緒の空間になんていたら……そ、その……思わず目で追ってしまうというか……しゅ、集中できそうにもないんです」

シーンとしてしまった車内。
早くも気まずくなってくる。

機嫌を伺うように、ちらっと颯太君を見やって絶句する。まっすぐ前を見据えたまま、顔を赤らめて、口元を手で覆ってるんだけど……

「可愛すぎる……」

「えっ?」

「気を許した途端、こんなにも可愛くなるなんて反則だ」

可愛いとかなんとか、小声でブツブツ言う姿に、気まずさに加えて気恥ずかしさまで襲ってくる。


しばらくして落ち着いたのか、打って変わって落ち着いた口調で話し出す颯太君。

「席のことは、今後も要相談とする」

「は、はい」

「それから……」



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