こじらせ社長のお気に入り
「いらっしゃい、笹川ちゃん。やっとここで仕事をしてくれるんだね」

なんだ、その語尾に見え隠れするハート感は……

そう。今日から、社長室内で仕事をすることになったのだ。まだまだわからないこともあるんだけれど、そろそろと言われて……

「笹川さん。かなり鬱陶しいかもしれませんが、耐えてくださいね」

副社長……言い過ぎでは?
と思うものの、見てきた限り事実だから仕方がない。

この部屋で過ごすことには、不安しかない。それも、どうかされるんじゃないかという色恋沙汰なんかじゃなくて、ただひたすら、煩わしいことばかりな気がする。

戦々恐々としながら迎えた、社長室勤務初日。
今日こそはと意気込んた社長の押しに負けて、ランチのお供をすることになった。
と言っても、所用で外出した社長に、私も秘書として同行した結果、ちょうどお昼時になってしまったというのが実際のとこなんだけど。

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