こじらせ社長のお気に入り
会社からさほど離れていない所にある、カジュアルなレストランに連れて来られた。


注文を済ませて、水を口に含んで一息ついていると、それは突然やってきた。


「やっだあ。颯太さんじゃない!!もう、会いたかったんだからあ」

な、なんだ……

向かい合って座る私なんて、まるで視界に入っていないよう。
小走りに近づいてきたと思ったら社長の腕をむんずと掴んで、全身からハートを飛ばしまくっている派手目な美女……
社長はそれに対して、嫌がっているふうでもなく、平常運転で笑みを返している。

「ああ、相田ちゃん。久しぶり」

「本当よぉ。もう、連絡ちょうだいって言ったじゃないの!!」

「ごめん、ごめん。これでも一応、社長だからね。なかなか忙しいんだよ」

なんなんだ、これは……
もしかして、あれか?
一度ちょっと遊んで、そのまま放置してたら偶然出会しちゃったとか?

若干呆れ気味に、2人の様子を見ていた。
ひとしきりハートを飛ばし終わると、やっと相田ちゃんと呼ばれた美女が、私の存在に気が付いたようだ。

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