こじらせ社長のお気に入り
「まあ、でも、あれも処世術の一つなんでしょうけどね」

「はあ……?」

思わず疑わしく思ってしまう。
処世術って……

えっ?
もしかして、枕営業的な?

いやいや、さすがに違うでしょう……ないわあ……
と、言い切れない何かがある。
だって、さっきの相田ちゃんは、2回目の対面で、あの甘えっぷりでしょ?

この業界って、そんな世界だったの?


「おうい、笹川ちゃん。何1人で百面相してるんだ?」

「うわあ……」

気付かないうちに社長に近付かれて、思わずのけぞってしまった。

「ちょっと、そののけぞり方、やたら傷つくわ」

「誰のせいだ、誰の」

副社長がひょいっと社長の首根っこを掴んで、私から離してくれる。
驚きから、無駄に高なった胸をぐっと押さえて、焦りをごまかすように深呼吸をした。

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