こじらせ社長のお気に入り
「マジで?笹川ちゃん」

「あっ……えっと……むしろ、そうとしか……」

「あはははは……」

私の返事に、副社長が笑い出してしまった。もはや爆笑の域だ。お腹を抱えて笑ってるし。いつものクールさはどこ行った?

「うわあ……」

社長はといえば、この世の終わりのような顔をして近付いて来ると、私の肩をがっしりと掴んで、真剣な目で見つめてきた。

「違うから。全く事実無根だから。枕営業なんて、一度だってしたことないから!!」

あまりにも必死に迫られて、思わずのけぞってしまう。
それをすかさず、副社長がその首根っこを掴んで引き剥がしてくれる。

「距離感、おかしいですよ」

「放せって。こんな誤解をされたままなんて、絶対に嫌だ」

「それはそうでしょうね。近付かないで、その場で話してください」

社長は、副社長をギロリと睨んだものの、素直に従うことにしたようで、再び私に向き直った。


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