こじらせ社長のお気に入り
「役得、役得。大丈夫。寝顔を他の奴らに見られない向きにしたからね」

ん?
したから……?

「笹川さん。コイツ、殴っていいですよ」

物騒な言葉を発したのは、副社長だった。

「えっ?」

「机に伏せて寝ようとしたあなたを、勝手に自分の膝に動かしたんですから」

「……はあ!?」

「だって、机なんて痛そうだし、笹川ちゃんの可愛い顔に跡がついたらかわいそうだろ?」

「だからといって、セクハラですよ」

「まあ、まあ、まあ」

ヒートアップしていく中、近くに座っていた総務の市井さんが割り込んでくれた。

「お酒の席ですし、今回はセーフでいいじゃないですか」

そうだそうだ。というように、社長が頷いている。

「社長。これからは気を付けてくださいよ」

これ以上言っても無駄だと思ったのか、それだけ言うと、副社長は戻っていった。


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